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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観て。「映画は現実逃避じゃない」

投稿日:2020年1月16日 更新日:

狭い場所が苦手である。最初にそれを自覚したのは、学校の教室だった。

なぜ、決まった時間に、決められた席に座って、誰かの話をじっと聞かなければならないのか? それがためになるならないとか、その話が面白いか面白くないかに関わらず、こちらには選択の余地なく、教室に閉じ込められなければならないなんて。

中学生のころは、授業中、教科書の手前側に小説やマンガ本を隠して読んでいた。バンドがやりたくて行った進学校では、授業をさぼりまくった。

子供のころから、狭い世間の田舎が嫌で、東京に行くと決めていた。誰も私のことを知らない場所に行きたかった。親から提案された「地元の大学に進学する」道も、「公務員になる」道も、全てにNO!を言って、高校を卒業すると迷わず飛び出した。

思えば、小学校の卒業文集に書いた夢は「楽団を作って、犬を1匹連れて、世界中を旅する」ことだった。

その後も良く言えば、自由。
悪く言えば、自分勝手。

この職業と決めたのに、明けても暮れてもそればっかりやるのは嫌だと脱線した。

20代は、仕事は適当。それより大好きな歌を歌いながら恋をして、お酒を飲んで楽しく過ごしたかった。プロになるとかならないとか、そんなことはどうでもよかった。

田舎で重い病気に苦しんでいる母のことや、父に介護を任せている自己嫌悪を、できるだけ忘れていたかった。

30代になって経験した妊娠や育児も、私にはとてもきゅうくつだった。もちろん、それ以上の幸せをたくさんもらったけれど。

専業主婦なんて、お金をもらってもやりたくない!お金があるなら、それで誰かに主婦業を依頼して、私は別のことをしたい。

ルーチンばかりの事務より、ベンチャー企業でなんでもやらされ、任される仕事の方が夢中になった。

キャンピングカーで、日本1週の旅をする生活に、とても憧れる。
世界中、色んな場所に行ってみたい。

本当は、大金持ちになりたいと思っている。
本当は、自分のチャンスと可能性は無限大だと思っている。

開放される場所は、海と空。見知らぬ国の広い場所。
開放されるときは、歌っているときと、思う存分に泣いているとき。
(覚えていないけど、たぶん、酔って記憶がとんだときも・・・)

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

こんなことを書きたくなったのは、先日、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観たから。

上映中、ふと「映画って、現実逃避かなぁと思っていたけど、違うな。」って、浮かんだ。

現実が狭すぎるんだ。
人の心や感性は途方もなく広くて大きくて、宇宙同様、限界なんてわからない。

それを「現実」という、ちっちゃな枠に収めようとしているから、ものすごく無理がある。

だから、狭すぎる日常から脱出して、本来の気持ちや感覚を取り戻すために、私の場合、映画が観たくなるんだなぁと気づいた。

どこに行っても、きゅうくつに感じる自分が社会不適応なのかと思っていたけど、今回の気づきから「私はそういう人なんだから、仕方ない。」と思うことにした。そう思っただけで、日々のきゅうくつ感が少し薄らいだ気がする。

全部は思い通りにできなくても、できることからやっていこう。
いつか、現実そのものが、もっともっと広く大きくなるように。

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