あるところに、天真爛漫なしずかちゃんがいました。
しずかちゃんは、担任の先生から学級委員長に任命されます。実はしずかちゃん、リーダーシップをとることは苦手なのですが、せっかく先生から頼まれたのだからと頑張ることにしました。
ところが、クラスには学校で幅をきかせる、悪名名高いジャイアンやスネオがいました。特に ボスのジャイアンは、しずかちゃんのちょっとした失敗や、根も葉もない悪評を先生や、クラスメイトに言いふらしてまわるのです。おかげで、それをすっかり信じてしまう人も出てきました。
しずかちゃんは、毎日毎日、泣いて暮らしていました。
一方、クラスには心優しいのび太という男の子もいて、しずかちゃんを何かと気にかけては優しくしてくれました。
ちょっと頼りないけれど、のび太の優しい人柄に惹かれて集まった、ドラえもんやドラミちゃんをはじめとする「チームのび太」と、しずかちゃんは仲良くなっていきました。
相変わらず、ジャイアンやスネ夫の言動は気になりますが、応援してくれるチームのび太の仲間が増えることで、学級委員長の役目にも前向きに取り組めるようになりました。
ところが。
その頃から、ジャイアンの態度が急変します。しずかちゃんにとっても優しくなって、積極的に委員長の仕事を手伝ってくれるようになるのです。
今いち頼りなさげなのび太と違って、ボスキャラで、おしゃべり上手なジャイアンは、味方になってみると心強く感じます。以前は嫌なこともされたけれど、今は親切な上に、頼りになるサポーターだものと、しずかちゃんはジャイアンと、どんどん仲良しになっていきました。
やがて、ジャイアンがしずかちゃんの耳元でささやきます。
「チームのび太のやつは全然使えない、クラスの足をひっぱっている」
「クラスの〇〇が、しずかちゃんの悪口を言っていたぜ」
すっかりジャイアンを信用するようになっていたしずかちゃんは、以前、自分がされたことはすっかり忘れて、繰り返される耳打ちを、だんだん信じるようになるのです。
クラスみんなの意見を取り入れてクラスを運営するのではなく、ジャイアンの話を鵜呑みにして、クラスのみんなに、あれこれと一方的な指示をするようになってしまいました。
のび太は、そんなしずかちゃんが心配でたまりません。今のしずかちゃんは、先生からも委員長としての適性を疑われ、チームのび太のメンバーからの信頼も失っています。クラスメイトたちは、心配しながらも遠巻きに眺めている状態です。
さて、いったいどうして、こんなことになってしまったのでしょう。
あなたは、何が原因だと思いますか?
そして、誰が悪いと思いますか?
これは、実際に進行している出来事をもとに私が綴った物語です。
(ちなみに現実では、私はチームのび太の一員です。)
我が家の女子高生にこの話をして、どう思う?誰が悪いと思う?と聞いたところ、
「人間なんて、みんなそんなもんじゃない?」
・・・まぁ、そうだけどさ。
達観していらっしゃること・・・。
しいて言えば、嘘をついてるジャイアンは悪いよね、だそう。なんせ、ジャイアンに偏見と嫌悪感を抱いている私のフィルターがかかった物語なので、そのように伝わってしまうのだろうなぁと思います。
また、チームのび太の仲間の1人である女史は「鵜呑みにする、しずかちゃんもどうかと思う。委員長なのに。」と言っています。
この状況を改善できるのは、一体誰なんだろうと考えます。
ドラマだったら、どんな展開になりそうか。
どんなストーリーだったら視聴率がアップするか。
やっぱり、のび太がキーマンだろうなぁ。チームのび太の誰か(もしくは転校生)が声を上げ、のび太がその気になり、チームで行動して状況を打破していく。
ありがちだけど、やっぱりそれが一番、ストーリーとして盛り上がる。
面白い展開になって、何らかのハッピーエンドを迎えたら、またこの続きを書きたいなぁと思います。
乞うご期待(?)