森さんの女性蔑視発言問題を最初に目にした時、正直、「まぁ、確かに女の話は長いよね。」と思った私も、女性を蔑視しているのかもしれない。
実際、夫に比べたら、私の話はだいぶ長い。私の母も、話し出すと長かった。親戚の集まりでも、PTAのママさん活動でも、友達とのおしゃべりでも、女性の会話は濃厚で、双方向で、何時間でもしゃべってられるんじゃないか?と思うぐらいの勢いがある。
ただ、よく考えてみると、それらはプライベートな場の話だ。公的な場所で、いつも話の長い女性がいるとすれば、性別に関わらず、単に「そういう人」なだけだ。
公的な場所で、話の長い男性だっているし。娘が高校受験前に、色々な高校の説明会に行った時、やたら話の長い校長先生がいて、惹きつけられる内容もなく、うんざりした記憶がある。
「これだからオジさんは・・・」と思った私は、オジサンを蔑視しているのかもしれない。
ところで、おそらく森さんは「空気が読めるわきまえた人をメンバーにしてスムーズに進めましょうよ」ということを言いたかったんじゃないかと思う。
連想して、2つ前に所属していた会社を思い出す。とても昭和的な文化が漂う会社で、YESマンでなければ上に認められない場所だった。
私のように「それって、おかしくないですか?」と、すぐに口から出てしまうタイプは、全くのミスマッチだと気づいたのは、入社した後だった。
やがて察した私は、「話し合って分かり合える相手とは思えない。NOと言える場所に行こう。」と考えて、経営者たちと正面から向き合うことはしなかった。
表面的に見たら、私は「わきまえている女性」だったかもしれない。
世の中が、森さんを責め立てているのを見て、私はとても驚いた。日本が女性蔑視な国だってことなんて、子供の頃からわかってるし、ずっと、ずーーーっとそうだったし、今も日々感じている。自分が生きているうちは変わることはないだろうと、もはや諦めの境地に到達していた。
それは私だけじゃなくて、みんなだってずっとそう思ってるよねー(だから、日本はこんなんなんだもんねー)と思っていたのに。みんな、わかっていながら、できないから放置して、平気で横行させていると思っていたのに、何を今さら??
今ごろ、そんなに騒ぎ立てるんなら、もっと早くから大騒ぎしとけやっっっ!!!
・・・すみません、長年の憤りが炸裂して、つい。
諦めていた身で言える立場じゃありませんが、本当に本当にビックリして、怒りのような感情が沸き上がってしまいました。
冷静に考えれば、私がジェンダー格差があることを諦めているうちに、実は頑張っていた人たちがいて、世の中が変わって、日本も変わろうとしている今だから、こんな大騒ぎになったんだと思う。
自分の中でこじらせていた問題なだけに、最初はビックリして憤ったけれど、今回の事件が私に世界の変化を教えてくれた。
「寝耳に水」の森さん同世代もいるだろうか。理解できない人や、何も感じない人もいるんだろう。あの昭和カルチャーな会社の経営者たちが、少しは何か感じていたらいいなぁと思う。
そして、まずは私自身の中にあるジェンダーバイアスと向き合う時が来たんだなと、身が引き締まる思いが生まれている。