海外のひとり旅に不安と期待でドキドキしつつも、「美味しいね」とか「すごいねー」という相手がいない寂しさもあるだろうなぁ、と思う間もなく、
ランチをしていたところから急展開。気が付けば、相席になった台湾女性のスクーターの後ろに乗り、高雄の街をかっ飛ばしている。
共通言語が無い中、「左営蓮池譚に行くの?うちの近くよ。乗ってく?」と言ったようである、という確信のない流れである。
運動オンチの超不器用なので、初のスクーター後部席に、うまく乗れない。マダムが心配して、何度も笑顔で振り返って、台湾語や英語で、何やら話しかけてくれる。
こちらは「オンナ出川哲郎」状態で、ファジーなコミュニケーションを脂汗モノで続けている(汗)
それにしても、スクーターって気持ちいい。アジアを旅してる!って気分が最高に盛り上がる。私ってラッキーだ!!
・・・騙されていなければ、だけど(汗)
だって、平和ボケしている日本人が、海外で騙される話をよく聞く。旅慣れていない私なんか、どっから見ても、いいカモなんじゃないか?
やがて、マダムが「ドリンク、ジュース飲む?」と言っている風なので、うんうん、と曖昧な笑顔で答えると、お店の前に止まった。11月なのに、高雄は夏みたいに暑かった。
とても美味しい、人気のお店なのよ、と言っているみたい。何か注文してくれている。
1つだけ買ってくれて、お金を渡そうとしても、受け取ってくれない。
たぶん、本当に善意で・・・と思いつつも、まだどこかで心配しながら、再びスクーターに乗り込む。
「1度家に戻って(なんちゃらかんちゃら)」と言い出したようで、何か用事か、取りに行くものでもあるのかなと、頷く。
● 台湾の素敵マンションを、チラリとのぞき見
やがて、綺麗なタワーマンションの前に到着。え?ここがおうちですか?
バイクを置いてくるようで、コンシェルジュがいる、だだっ広く綺麗なロビーで、ドリンクと一緒にぽっつーんと待つ私。
マダムが戻ってきて、エレベーターに乗る。これは、どういう展開なのか・・・と思っていると、駐車場に到着した。
わかった。車に乗り換えて行こう、ということらしい。なんで、そこまでしてくれるんだろう。
ところが。
車の鍵が作動しない。ここからちょっとドタバタする。
(早送り)ロビーに行く → 別の鍵を持ってくる → やっぱり作動しない → ロビーに戻る → コンシェルジェが1人で車に行く → やっぱり解決しない
で、マダムの家に一緒に行くことになった。別の鍵があるらしい。って、何台車持ってるのよ?
玄関から少し入っただけだけど、快適で、きれいなお部屋だった。私が宿をとった美麗島の駅周辺は、庶民的な雰囲気なので、思えば当たり前だけど、同じ台湾でも印象違うなぁと、ついキョロキョロ見てしまった。
で、結論。どの鍵も合わない。
なんでやねん(笑)
この辺で、もうすっかり信用してしまっていた。騙すにしては段取り悪すぎる。本当に善意で送ってくれて、ご馳走までしてくれて、今度は車で送ってくれようとしているんだ。
「私、歩いていくから大丈夫ですよ」と伝える。でも遠いわよ、暑いわよ、ということで、再びスクーターで移動となった(笑)
● 無事到着 → 反省。→ タイムリーな観光地 → 新たな出会い
ちょっとした珍道中となったが、そんなこんなで無事、左営蓮池譚に到着。
何度も何度も頭を下げて感謝を伝えると、彼女は「台湾に来たら、ここに連絡してね」と名前と電話番号を渡し、笑顔で颯爽とスクーターで消えてしまった・・・。ちょっと疑っていた自分を恥じる。
ドリンクは、暑い観光地で、とてもとても美味しかった。
おかげで、幸せな気持ちで、観光を楽しみました。
龍の口から入って、虎の口から出ると罪が清められ、善人になると聞き、やってきたのでした。早速、人を疑った罪を清めます(^^;
帰りは「自力でバスで帰る」にチャレンジ。1つ先の終点まで行っちゃったけど、MRTで1駅戻って、無事に宿に帰還。
いや~、なかなかドラマティックな展開だった。高揚感と、暑い中での観光で疲労感あり、どこかで夕食をとる前にひと眠りしよう・・・と自分のベッドでうとうとする。
少し眠ったんだろうか。誰かが入ってきた気配がして、見ると、1人旅の女性が出て行ったベッドに、新たな1人旅の女性が到着していた。
妙に迫力のあるハスキーボイスなお姉様である。どうやら宿の超リピーターさんらしい。
自己紹介をしたか、しないかぐらいで、すぐに、
「今夜の食事の予定は決まっているの? 実は私、語学留学している友人と食事をするんだけど、2人だと色々注文できないでしょう? 良かったら一緒にどう?」(関西弁)
「あ、はい、行きます。」
やや寝ぼけていたんだけど、即答したくせに、その後で「え~! また怒涛の展開!!」と驚く。
次から次へと出会いがやってくるジェットコースター状態。ひとり旅は寂しいかも、なんて心配は、どこかに吹っ飛んでしまった。
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